自給自足の思想
自給自足の思想が、「自分で食べものをつくれば、農薬をかけないで安全だ」とか、「健康にいいだろう」とか、自給自足こそが社会的自立であるという考えだけで終れば、まったく個人の嗜好の領域、自己本位な一人よがりに過ぎません。
私は、この本を読んで、自分たちの生活ばかりを見つめていて世界や地球全体を思う宇宙的視野をもっていなかった、と思いました。
飽食の時代に批判の眼をもっていても、飢えて死ぬ人々の姿は見えませんでした。
私たちが、いま食べられるということは、見殺しにしている人々の存在を思えば、犯罪でもあるのでしょうか。
すべての人々が飢えないようにと食べるザ・ファームの人たちの心の豊かさに心を動かされます。
そもそも食べることは、生きるためのものであるはずです。
それが、いつからファッションになり、情報に流されるようになったのでしょう。
食べ方や食べているものが、その人の生き方や思想を静かに表わしているのです。